2017年5月に観た映画
5月(9作)
- 「日本で一番悪い奴ら」
- 「HK/変態仮面 アブノーマルクライシス」
- 「ルーム」
- 「ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」
- 「シン・ゴジラ」
- 「金メダル男」
- 「リップヴァンウィンクルの花嫁」
- 「持たざる者が全てを奪う」
- 「ジョン・ウィック」
- 「イップマン 継承」
- 「怒り」
- 「ザ・コンサルタント」
- 「ハートビート」
掟破りのキャスティング。映画「HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス」を観た。
シリーズ2作目。一発ネタかと思ったら2作目が作られたこと自体驚きだし、ヒロイン役の女優さんも出家&芸能界引退ですごいことになっているけど、映画自体の内容は普通だった。普通の変態仮面だった。
やりたいことは大体1作目でやり尽くしたんじゃないかなと思ってたんだけど、2作目は新キャラ(キャスト)として柳楽優弥がかなり飛ばしていたのが良かった。あとのキャストは1作目と大体同じメンツ。
鈴木亮平が己の中の変態性を認めるか否かの葛藤に面白さがあったのが1作目とするなら、2作目では変態としてナチュラルに覚醒した鈴木亮平が、変態を止めるかさらなる高みを目指すかがポイントだと思う。登場人物の8割は前作と同じなので、説明や紹介がびっくりするぐらい何もなくて、その辺りの采配は上手いと思う。鈴木亮平の筋肉の仕上げ具合と、変態的なアクションはこの映画の見所のひとつ。
そして、この映画で最高だと思ったのは安田顕の存在。前作でも変態仮面に立ちはだかる敵としてかなりピーキーな変態役を演じていて、変態仮面を普通に上回る変態でかなり良かったんだけど、今作でも変態役として出てくる。前作とは全くの他人として、という掟破りのキャスティング。いやいや、兄弟でもクローンでもなくただただ完全に別人役として同じ役者を使うって、「ザ・レイド」なんかでもあったけど、この映画だとかなり重要人物として作中に出てくるからね、結構斬新なことするので面白い。でも安田顕が出ていて本当に面白くて良かったし、この映画の価値としても救われた部分は大きいと思う。
というか、柳楽優弥・ムロツヨシ・安田顕・・・完全に「アオイホノオ」じゃん!(同じ監督)
あと他の映画パロディのシーンがあったと思う。たぶん「スパイダーマン」と「モテキ」は入っていたと思う。どっちの映画もちゃんとは見てないから確かとは言えないけど。
ヒロイン役の女優さんが引退時のコメントに「意に沿わない仕事」云々の発言を目にした時に真っ先に浮かんだのがこの「変態仮面」だったので、ドキドキして観ていたけど、たぶんこの仕事じゃないと思っている。 まあ何だかんだで変態仮面を楽しめた人は面白がれると思う。
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ウッチャンへと至る道。映画「金メダル男」を観た。
ウッチャンこと内村光良による、内村光良のための映画。途中まで、内村光良の自伝的映画かなと思っていたんだけど、実際はウッチャンが脚本・主演を務めた一人舞台「東京オリンピック生まれの男」の映画化が正解のようだ。
この映画の見所は、主人公の青年時代を演じる知念侑李が、本当にウッチャンに似ている所。正確に言うと若い頃のウッチャンと言われても納得してしまう風貌。だから本物の内村光良にキャストがバトンタッチする中盤までは、高精度の自伝再現VTRを観ているような気分になってくる。
この映画って一言で言うと何なのさと問われたら、しばらく考えた挙句に「和製・・・フォレストガンプ・・・?」とモゴモゴしながら自分は答えると思う。洋画ではよくあるけど、邦画でこういう自伝的回想スタイルの映画って珍しいのではないかなとも思う。原作が一人芝居の脚本だからというのもあるのかもしれないけれど。
あと自伝的スタイルの副産物として、昭和中期~平成初期という日本の流行史をなぞっているのも特徴かも。猿岩石が出てきたり、当時のヒット曲とか流れるんで、なんとなく面白い・・・かな? あとこの映画のヒロインとして木村多江をチョイスしたセンスは地味に、鈍く光っている。主張し過ぎても主張しなさ過ぎても成立しない所に木村多江。映画も全体としてはあまり華々しくはないけど、それはそれでいいかなと思う映画で、観るタイミングを逸すると一生観ることがなさそうな映画でもあるので、観る気があるなら東京オリンピックが始まる前の数年以内に観た方がいい邦画かもしれない(適当)。
映画「ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」を観た。
TUTAYAのレジでCM映像が流れていたので、面白そうだから借りてみたが、1クールものの海外ドラマかと思っていたら単作の映画だった。
感想。90分ぐらいの長さで気軽に観れるゲーム系の映画。ラストのオチというか、解決策以外は良かったと思う。これで120分とかだったら印象悪いけど、90分にまとめてあるので、それほど悪くなかった。
一見して頭脳ゲーム系の映画っぽい印象で目を引くけど、話の主軸はあくまでジュブナイルで、多感な時期の主人公が家庭内に見え隠れする影(兄の死と家族)、将来(大学進学)や人間関係(友人や自分の性格)に悩みつつも、自分の中で答えを見つける話・・・なのだと思う。作中にその徴候はあまり見て取れないけど、そう思っている。しかし、ジュブナイル系とゲーム系のストーリーラインが並行独立して走っている感じなので、どちらも肝心なディティールの描写不足は否めない。兄の死が作中で特に関係なかった部分とか、そこはベタでも絡ませても良かったと思う。
ナーヴと呼ばれるゲームの内容は、体張ってお題をクリアして賞金ゲットという、24時間耐久ユーチューバー生配信みたいな感じ。システムとかの設定は結構ガバガバな感じはするけど、序盤~中盤のスピード感とテンポの良さで見せてくるのは良い。
ゲームのシステムとか黒幕の存在とか、ある意味では根本の所を潔く投げたおかげで、ディティールの曖昧さなんかに不満は残るものの、映画としてはスッキリとした展開になったのではないだろうか。