実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

投票所再襲撃

 選挙は期日前投票で済ませたんだけど、ふと思ったこと。投票箱って案外、簡単に強奪できるんじゃないかと思った。

 

 自分が20歳になった時、新成人枠で選挙立会人をやったことがあるんだけど(日当1万ちょいで、おやつと弁当つき)、その時、零票確認という行為を行ったのをよく覚えている。一番初めの投票者と一緒に投票箱の中身が空であることを確認して施錠するというものだ。この施錠は開票時間までは決して開けられることはない。

 そして、期日前投票自体は2003年から始まって、その前は不在者投票があったわけだけど、両者の違いのひとつに、それが「確定票であるか否か」というのがある。細かい話だけど、つまり票が投票箱に入った瞬間に確定された票であると認められるわけだ。不在者投票の場合は投票日当日に、選挙管理人が立会人の確認のもと、不在者の票を投票箱に入れる。なので、不在者投票の場合はその投票日に投票が確定する。それに対して期日前投票は、有権者がその日に投票箱へ投票するので、投票日を待たずして確定票になる。

 ということは、零票確認を行うのは期日前投票が可能となる初日になる。零票確認をしたらそのまま選挙期間が終わるまでは開けられない。その日ごとに箱の中の票を集計して、翌日の朝にまた零票確認を行う、なんてことはやらないわけである。票は箱の中に眠ったままだ。

 

 この箱をそっくり頂いてしまうのである。別に持っていく意味はないけど、解錠してあれやこれやできる可能性とそのメリットはある。可能性の話だけで言えば、期日前投票ができなかった2002年以前よりもチャンスが増えているのは確かだと思う。

 まあ、警備とかはされているのかもしれないけど(投票操作の疑惑が尽きないロシアの大統領選では、今は全投票所が24時間警官によって警備されている)、約10年しか経っていない制度の中で、またおそらくそこまで費用をかけられない事情の中で、いきなりセキュリティ体制が向上するようには思えない、と楽観的な考えをしてみる。すごい工夫を凝らして現場を回しているのかもしれないけど、そこらへんは教えてくれないだろうし、想像と観察に任せるしかない。

 

 ただ、そういう現場の運用が不十分であったなら、近いうちにそういう類の事件が、未遂にしろ起こってもおかしくはないなあとは思う。

 

ちなみにタイトルの元ネタは村上春樹の「パン屋再襲撃」。

 

パン屋再襲撃 (文春文庫)

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