実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

熊肉を喰らう

 この前、熊肉を食べに行った。すき鍋風にして食べたので、熊鍋である。

 気になる味の方は、うまかった。美味しい、ではなくうまかった。赤身は噛み応えがあって、白身(脂肪)は甘い。言われているほどの臭みはなかったけど、じっくり噛んでいると野趣は感じられる。ジビエというか獣肉食べると毎回思うのは、肉ってのは牛豚鳥(羊)だけじゃないんだなあということ。脂の付き方が全然違うし、赤身も締まっていてザ・肉って感じで好きだ。熊の脂肪は割と分厚いかったけど、これは冬眠のために蓄えた脂肪とのこと。パッと見、脂肪の部分が多そうだったけど、熱したらふわっと溶ける。冬眠用の脂肪だと分解しやすいのだろうか、なんてことも考えた。

 熊は動物としては最強だと思っている。そして、強い獣がうまい、というのは良いことだ。それを食べていると、熊の何かを自分に取り込んだような気分になる。俺は熊を食べたぞ、という高揚感である。獣肉や美味しい肉を食べると大体、そんな気分になる。  チャイナじゃ畜産業としての熊牧場もあるみたいだけど(熊の掌は中華料理の山八珍のひとつ)、日本では熊牧場はあるみたいだけど、畜産として育てている所はないみたい。需要の割には飼育コストとリスクが大きそうだしなあ。

 量や値段で比較すれば牛豚鳥のいいランクの肉が食べれるのだろうけど、あえて熊肉を食べるという贅沢。