実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

あとがきから読む人には勧めない「アリス・リローデッド」

 正式タイトルは「アリス・リローデッド ハロー、ミスターマグナム」で、作者の茜屋まつりはこの作品で第19回電撃大賞の大賞を受賞してデビューした。

 ストーリーは開拓時代のアメリカを舞台に、西部劇と呪術を組み合わせた話だ。展開としてはある種の時間ループもの。読んでて「All You Need Is Kill」とか「魔法少女まどか☆マギカ」(表紙の絵もそれっぽい)を連想した。リボルバーとかリローデッドって単語も時間ループを連想させるなあ。

 内容については特に触れないけど、読みやすいし、話も面白い。手堅い印象。続きが出たらまた読みたい。作者の茜屋まつりは42歳らしい。42歳でラノベ書けるのかと思ったら、「あとがき」で衝撃のカミングアウトがされている。

 だから、この本は「あとがき」から読む人にはオススメしない。まずは本作を読んで、この新人作家のデビュー作を堪能してもらいたい。そして、「あとがき」を読んで驚いていただきたい。

アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム (電撃文庫)

アリス・リローデッド ハロー、ミスター・マグナム (電撃文庫)

 

【ここから先は「あとがき」の内容に言及しています。ネタバレ部は白文字にしてるので反転させて読んでください】

 実はこの作者、過去に第3回電撃大賞の銀賞を受賞していたのだ。その時のペンネームは雅彩人で、当時は受賞作では出版できないという編集部の意向からデビューできず。その後も漫画描いて持ち込んだり、バイトしながら投稿生活を続けていたらしい。そして15年越しのリベンジ受賞&デビューを果たしたのである。

 ある意味でのダブル受賞になるのだけど、賞の規約には引っかからないので、無問題みたい。

【言及終わり】

 

 作者自身も書いているけどラノベ書きたいとか思っているワナビーズには、この「あとがき」は必読だろう。

 

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)

All You Need Is Kill (集英社スーパーダッシュ文庫)