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実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

映画「バードマンあるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡」を観た(ネタバレあり)

映画

ネタバレなしの感想はこちらから。

 

ippaihaten.hatenablog.com

 

以下からネタバレ感想。

  

 

  •  やはり気になるのはラストだろう。主人公(リーガン)は「生きているのか」「死んでいるのか」あるいは「死んだのか」。自分の解釈は「生きている」で。
  • 一連の出来事は現実であって、ラストで主人公は超能力をまた使った。超能力というのは、これまでのシーンで表現されていたように、超能力=主人公の行動の結果なので、またビルの屋上かどこかに立っているのかもしれない。
  • 観客の全員が歓声と拍手を送る中、劇場を後にした批評家(タビサ)。あの行動と後の批評文の内容からは皮肉っているのか、褒めているかは分からない。
  • でも、他の観客は絶賛しているようだし、ファンも復活を願っている。それがリーガン自身なのか、バードマンなのかは分からないが。
  • ふと連想した映画に「ファイトクラブ」と「レスラー」(あるいは「ブラックスワン」)を挙げたのだけど、「ファイトクラブ」はより正確に言えば、映画版と言うよりも原作の小説版なんだよなあ。両作品を知っている人は、なんとなく分かってもらえると思う。

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  • ラストシーン。包帯を外して、バードマンのような鼻に変形してしまったのを鏡で見て、トイレにまたがるバードマンに別れを告げるのだけど、あれはバードマン(過去の栄光)に別れを告げたという意味なのか、バードマンだけの俳優じゃないと否定していた過去を受け入れたという意味なのか、自身が否定していたバードマンに身体的にもなってしまったからバードマンの幻影は不要になったという意味なのか、どれだろう。
  • どれも似たようなニュアンスだけど、厳密には違うよなあ。1つ目には成長の意味が、2つ目には願望の充足が、3つ目には絶望があると思う。3つ目だったら自殺しても筋は通る(娘のリアクションは通らない?)。
  • 2つ目か3つ目が自分の印象には近くて、いずれにしてもリーガンはバードマンになったのだと思う。それが幸福か不幸かは描かれていないが、娘の表情からは幸せなのだと思いたい。
  • 1つ目の解釈はもっと象徴的で、バードマンとの決別がリーガンの成長であったなら、窓を開けたリーガンは空を飛ぶ鳥(バードマン)を見て、窓から地面に降りた(鳥と反対方向へ進んだ)。だけど、娘(その他の観客含めた)は地面を一瞥した後、空を見て笑顔(絶賛)しているということになる。俳優としての評価と人間(父親)としての評価が、空と地面を見た時の娘の表情に仮託されているのかもしれない。
  • そう考えると、1つ目は「成長によるバードマンとの決別」と3つ目「バードマンと一体化による絶望」はリーガンにとっては違いがあっても、その他の人間にとってはバードマンへの評価があるだけで、そこに違いはない。
  • 批評家が絶賛してた理由って、映画人(バードマン)が演劇界に殴り込みをかけて、演劇界による洗礼(銃弾)を浴びても死ななかったから、ではないだろうか。だから評価しているのはリーガンではなく、生き残ったバードマンなのだ。
  • みんなバードマンしか見ていない。それを新聞やニュースから察したリーガンが、自身の現実を歪めて、みんなが抱いている虚構になってしまう話なのかもしれない。
  • 徒然と書いていて、少しまとまってきた気がする。書きながらまとめるなよ、という話ではあるが。
  • あの鏡に映ったリーガンの鼻が、現実のものであるとは誰にも分からないんだよな。あれが見えているのはリーガンが一人の時だけだし。超能力と一緒。あれがリーガンが現実を歪めた認識である可能性は残されている。バードマンとして生きていく決意。
  • リーガンがバードマン側へと流れていく描写は中盤にもあって、あの時のリーガンは空を飛んで、ビルの屋上に佇んでいた。あの時、上から地上の人々を見下ろしていたリーガンは何をしようとしていたか。男に声をかけられたから正気に戻って劇場に戻った風にも読める、というのは強引過ぎるか。ラストでバードマンとしてしか生きられないと悟ったリーガンがまたビルの屋上に立って、地上の人々を見下ろしてどんな行動をとったのだろうか、というのは想像力が暴走しているかな。

 また何か思いついたら続き書きたい。

 

 

 

 

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

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