実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

デスノートは新世界のSAWになれるのか。映画「DEATH NOTE Light up the NEW world」を観た(後半ネタバレあり)。

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 舞台はキラ対Lの対決を描いた前作から10年後、再びデスノートが人間界に現れる、しかも6冊! というあらすじ。実はデスノートの映画1作目が2006年に公開されているので、作中の時系列でも映画としても10年後という構成になっている。

 

デスノート Light up the NEW world 予告編

  感想・新世界のデスノートとしての風呂敷は広がっているが、何歩か物足りない。

 自分としては「おっ!?」と思うような光る部分は局所的にはあったけど、全体として頭脳戦(能力バトル・演出)、演技(キャスト)、アクションのどれもが物足りなかったのは残念。

 ただ少しフォローしておくと、元々、デスノ映画版は原作と違う展開・ラスト(本作中でも言及されてる)にしながらも、原作には準拠しているという志の高い(?)作品でもあると思っている。だから今回は原作で言うメロ・ニア編を独自解釈かつ新たなデスノートとして作ろうと挑戦はしている。

 今回のデスノートは一言で言えば「人を殺す」以外のガジェット(ルール)をフルに使ったデスノート映画なんですよ。これは、原作の第2部でもやろうとしていたけど、微妙に失敗していた事でもあると思う。事の是非はともかくとして、その挑戦自体は面白い試みだと思ってるのでそこは肯定したい。

 変に原作固執してコケるよりも、独自解釈のほぼオリジナル路線でコケる方を応援していきたい、という気持ちはこの映画に対してある。あとデスノートに頭脳戦を求めたら負けだってことは、メロ・ニア編でみんな知っていたはずだ・・・。

 

 話は変わるんですが、ここ数年の中でハロウィンってこの季節の定期行事として確実に地位を固めつつある感じで、それで、この映画のラストの展開を観ていて、ふと何かに似てるよなあと思っていたら、「ああ、これSAW(ソウ)シリーズだわ」と思い至って。

 ※ゼロ年代のアメリカではハロウィンシーズンになると、「ファイナルディスティネーション」シリーズか「SAW」シリーズが公開されていて、それがゼロ年代の伝統であり、「ハロウィンしぐさ」と呼ばれていた(嘘)。

 だから、デスノートも「新世界の神になる」ならぬ「ハロウィン映画のデスノートになる」のを目指しているんじゃないかなと思っていて、毎年1回くらいのペースでシリーズ化するんじゃねえかなってことを期待してる。キラはジグソウという概念になろうとしてるんすよ・・・。最終的には自分にとってのこの映画の評価ってそこに尽きる。シリーズ化する(続編やる)なら観に行くし、追いかけていきたい。ここで終わりなら・・・残念。そんな映画だった。

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以下ネタバレは「続きを読む」からどうぞ。

  •  今回の映画って、キラとLのハイブリッドを作り出すのが目的であって、エピソード0みたいなものだから、この先の続編に興味ない人にとっては驚く程つまらない映画だというのは分かる。
  • 「銃に勝てるわけないだろ」これは名言だと思う。デスノートは銃に勝てない。
  • みんな特に迷うことなく死神の眼の契約をしているのは結構面白い。あとこの10年間でフェイスブックとかtwitterで、人の顔と名前を知るのなんてかなり容易になったという時代も反映しているのだと勝手に思っている。死神の目の価値が相対的に下がったから、みんな気軽に契約するのが新時代のデスノート
  • この映画って原作と照らし合わせると、竜崎も紫苑もメロのポジションだし、ニアのいない世界・・・。
  • 死神のルール破り、もっと丁寧にやってくれと思わなくもなかった。
  • 所有権の放棄で記憶失うルール、何でもあり過ぎる設定だけど、これってSAWシリーズと何も変わらねーなと思った瞬間、自分の中に潜んでいた敵(批判精神)が消えた。
  • いやでも仕方ないじゃんSAWシリーズならさあ。ソウ4とかソウ5を観て怒るようなもんですよ(遠い目)。
  • キラの後継者として育てていた子供が、デスノートで発狂して死んだというエピソードさらりと触れていたけど、結構面白いエピソードだと思ったので、もっと深掘りしてくれと思った。
  • このエピソードもジグソウのアレやコレを連想させてくれるなあ・・・。
  • でもまあ考えれば考えるほどソウシリーズの構成と一緒に思えて仕方がない。
  • でも本当にこの映画はキラ=ジグソウであり、その遺志を継ぐ者の物語だと感じているので、本当に続編作ってほしいし、観てたいのが正直な気持ち。
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