実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

クー!脱力系カルトSF。映画「不思議惑星キン・ザ・ザ」を観た。

 再見。定期的に観たくなるという中毒性のある映画。「クー!」というのは作中に出てくる万能言語で、感覚的に作中の台詞の7割くらいを占める印象と言っても過言ではないくらい、癖になるワード(と動作)である。

  今回も観たくなったきっかけは、今年2016年が上映から30周年記念ということで、デジタルリマスター版の上映を各地映画館でやるというのを知ったからだった。

(参考 映画『不思議惑星キン・ザ・ザ』オフィシャル・サイト

 

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  ↑の2人のポーズが「クー!」のポーズ。

 

 ソ連時代に作られた映画で、当時の崩壊間際のソ連への社会風刺も全体に散りばめつつ(多少知ってたらより楽しめるかもしれないが、知らなくても映画としては問題なし)、チープだけど作り込まれた世界観と音楽は、検閲逃れのためか所々の緩さも加わって、独特の脱力感と魅力を生み出していて面白い。映画の尺も2時間以上と長いんだけど、中だるみという印象はなくて、常に低速だけどスピードは緩まないからそこまでストレスはない。

 序盤から中盤にかけては権力者とか警官とか、オブラートに包みつつも結構当時の社会体制にブッ込んだシーンがあったり、後半ではロシア帝国時代に潰した民族国家の話だろ、これは! とか、これは完全にアメリカとかヨーロッパの資本主義国だろ! みたいなエピソードやシーンも出てくるんだけど、主人公2人の選んだ道が人間賛歌的でカッコいいし、結構ホロリと来るラストなんだよなあ。何度でも観たくなるような不思議な味わいの映画。

 

 そのうち、デジタルリマスター版のblu-rayが出るような予感もするから、出たら欲しい。 

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不思議惑星キン・ザ・ザ?ギア・カンチェリ・フィルム・ミュージック

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