実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

近未来設定は甘え。パルクール映画「アルティメット」を観た。

 リュックベッソン製作(not監督)のフランス映画。スタント・CGを一切使っていないパルクールアクションかつダブル主人公というのが特徴。

アルティメット (字幕版)

  感想。アクションは抜群に良い。序盤のビルでのパルクールアクションは俳優の身体能力の高さもあって、見ていてとても楽しい。もう一人の主人公である刑事のアクションもパルクールとは違う方向ではあるものの、スピード感があって良い。しかし、このダブル主人公という設定はあくまで主人公が2人というだけであって、2人のアクションを掛け合わせた更なる高次元のアクションが見られる訳ではなかったのは残念。とは言え、アクション的には見所は結構あるので元は取れる。

 話の展開やラストのバトルはまあ、あまり上手くないと感じる。妹が攫われてから、時間経ち過ぎじゃね? とか。時折、アクションで高めたスピード感が失速する部分があるのは何とも。この映画はいちおう近未来という舞台設定になっているんだけど、近未来であることがプラスに活かされている部分が見つからなくて、マイナス部分を近未来ということで言い訳しているようにも感じるので、この映画について言えば、近未来は甘え。その中でも斬新なシーンもあって、特に組織のボスが口座凍結された瞬間に部下に殺されるシーン。ここはとても良かった。

 全体的には悪くない映画だった。 

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