実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

実質、猫が主人公の猫映画。映画「空海-KU-KAI-美しき王妃の謎」を観た。

 夢枕獏先生の小説が原作。恥ずかしながら原作は未読。十中八九で陰陽師っぽいなーとか思いつつ、なんとなく手が伸びなかったんですが、映画化を機会に観ることに。

空海?KU-KAI?美しき王妃の謎 インターナショナル版(字幕版)

 感想。なんとなくの予想通り、中国版「陰陽師」という感じの話だった。ストーリーは少し分かりにくいけど、話のスケールの広げ方と繋ぎ方が完全に夢枕獏イズム全開で安定してる。その広げたスケールに沿ったセットと特殊効果の作り方がひたすら豪華で眼福。CGっぽさは所々で感じるけど、とにかくスケールを大きくしているんで、あまり気にならなくなってくる。詳しくは分からないけど、カメラワークも色々な撮り方をグリグリやっている気がする。

 話の筋はシンプルなんで、観ていて気分の良くなる美術や衣装の壮大さと煌びやかさを楽しんで欲しい、と言いたい所だけど、割と作中の説明と時系列がダイナミックに動くので分かりにくさがある。まあ、元々の原作が大風呂敷を広げて歴史上で接点のなさそうな点と点を繋げる作風なので、楊貴妃阿倍仲麻呂辺りの人物と歴史については軽く予習しておくとより楽しめるとは思う。

 あとは、阿倍仲麻呂を演じる阿部寛が完全に中国における異人顔というかテルマエ感が半端なかった。あと詳しくはネタバレになるから書けないけど、終盤のミラーリング猫転生もなかなか斬新だった。この映画で全編通して、表情と感情が豊かだったのが猫だったので、実質、猫映画と言っても過言ではないかなと思った。

  

 

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こちらは原作小説とコミカライズ版。

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一: 巻ノ1 (角川文庫)