実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

映画「殺人者の記憶法」を観た。

 アルツハイマーの元殺人鬼VS連続殺人犯、という煽りを見たら観ないわけにはいかない韓国映画。原作小説もあるみたいだけど、もちろん未読。

殺人者の記憶法(字幕版)

 感想。最高に良かった! 認知症の悲哀もリアルに感じさせつつ、話の展開もスリリングなおかつ熱い! アルツハイマーを発症する前は、独自のルールに従って殺人を繰り返す殺人習慣を持っていた主人公と、主人公の娘の婚約者として現れたが実は連続殺人鬼の青年の、新旧の殺人鬼対決という構図がストーリーの軸。そこに主人公の殺人習慣の回想とか、アルツハイマーで記憶を失ったり、忘れる前に記録を残したりとサスペンス要素が入ってきて、これがまた良いんですよ。

 特に後半の展開はヒーロー展開と言っても過言ではない展開で本当に良かった。記憶も守るべき存在も失われようとしていく中で、殺人習慣だけを残した怪物になる前に、倒すべき敵を倒しに行くという決意と、その決意ですら録音して残すという展開は、本当に胸熱で最高。ラストも、主人公が一番楽しかった時代を回想しているのが切ない。

 しかし、主人公自身の記憶(映像)がアテにならない(しかも規則性がない)というのは、割とハードルが高かったなあと思った。同じく韓国映画の「哭声ーコクソンー」とかも現実と空想がまぜこぜになったような部分は似てるけど、この映画だと恣意的・御都合主義的な匂いが入ってると感じてしまうのがハードル高い。

 しかも、ラストのラストでいきなり特大の謎をブッ込んできて「えっ!?どういうこと!?」という意味深なシーンで終わってるのは、ちょっとズルい感じはした(ストーリー構成を変えた別verの映画があるにしても)。

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殺人者の記憶法(字幕版)

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 こちらは原作小説と、続編にあたる別verの映画。少し落ち着いたら観るつもり。

殺人者の記憶法 (新しい韓国の文学)

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