原作は「世紀の空売り(原題 The Big Short)」。 原作タイトルか原題タイトルの方が良かったかな―とは思った。

The Big Short: Inside the Doomsday Machine
- 作者: Michael Lewis
- 出版社/メーカー: W. W. Norton & Company
- 発売日: 2010/05/12
- メディア: Kindle版
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あらすじはざっくり言うと、誰よりも早くリーマンショックの予兆に気付き、大暴落の可能性に賭けた投資家たちの話。経済はそこまで詳しくないけど、作中でもジェンガや料理人やポーカーの話でざっくり喩えてくれるので、何かが起こっていることはイメージで分かる。
でも、実際に何が起こっていたのかは観客には分からない。少なくとも自分には分からなかった。 暴落すると思ったタイミングで、暴落せずに「何故だ!?」ってなるシーンがあるのだけど、そこも明確には描かれていないし、原因はひとつの事象ではなく、金融システム全体なのだという暗示のようにも見える。おそらく、金融市場の誰もが、そして大暴落の予兆を感じていたこの映画の主人公達にとっても。結果を知った上での、後付けの解説は無数に溢れているが「あの時分からなかったものは、後から分析してみてもやはり分からないまま」だったという感覚や不気味さを描こうとしているのかもしれない。そう思えば、分からないのもある意味では正解なのかもしれないなと思う(もちろん半分くらいは自分にとっての言い訳なんで注意)。
実話をもとにしているので最終的に主人公達は空売りに成功するが、そこで描かれている姿はまた考えさせられる・・・・・・が、これはこれで面白い映画だったけど、予告編とかポスターなんかで想像していたような映画を望んでいたよ、正直言えば、ね。
あと、タイトルと字幕の翻訳が悪いとは思う。原語ではロングorショートを「buy(買い)」と言っていると思うんだけど、字幕だと売り(ショート)を「買い」って言ってたりするんで、売りを買う? と混乱してしまいそうな部分があった。タイトルもビッグショートか世紀の空売りの方が通じやすいと思ったけど、そうでもないのかな?
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