実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

無声の迫力と視覚の美学。映画「草原の実験」を観た。(ネタバレなし)

 2014年に撮られたロシア映画。全編にわたって台詞が一切ないという珍しい映画。ソ連での実際の出来事に着想を得て作られたらしい。

草原の実験 【プレミアム版】 [DVD]

 台詞がないので、どんな話かは映像からしか想像する術はない。そして、その映像がとにかく美しくて幻想的ですらある。細かいことは分からないけれど、空の青と大地の色が鮮やかで、人とか人工物の色はどこかぼやけた色をさせているのが対照的で、こういう色彩感覚は好きだ。

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もちろん風景もいいんだけど、何よりも主演の女の子を演じるエレーナ・アンが超絶美少女というのが自分としては最高に推したいポイント。 無言でも、ずっと眺めていても飽きないこの美少女なくしてこの映画は成り立たない。

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台詞がないからこそ、瞳で語る演技が必要で、瞳で演技するには観客に瞳を見てもらわなければいけない。だからこそ、画面に出てくるだけで視線を引き付ける美少女エレーナ・アンが必要なのだなあと思う。ロシアと韓国のハーフらしい。作中でもそうだけど、男の子が争うに足る可愛さ。

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 話の筋は分かりにくいけど、全部理解する必要はない。ラストシーンは結構衝撃的だったけど、そこにもどことなく幻想的な美しさを感じる不思議。短編映画を観ているようなゆったりとした時間の心地よさ。