監督はジョディ・フォスター。公開してから2週間くらいしか経ってなかったが、近所の映画館では1日1回上映になっていたのと、イギリスのユーロ離脱で暴落していたタイミングと、あと映画館のポイントが溜まっていたので丁度いいタイミングだなと観てきた。
感想。秀才が映画作りましたという感じのザ・映画。つまらなくはないが、めちゃくちゃ面白いというわけでもなく、映画のお手本のような約90分の映画。
あらすじ的にはキャッチ―で期待感煽るようなポイントはあるものの、そこは割とサラっとしていた印象。株の暴落で大損こいた若者が生放送中の人気マネー番組に乗り込んでくるという突発的な犯罪から、その裏に潜む陰謀が明るみに出ていくという流れなんだけど、終盤は意外な展開ではありつつも、オチはドライな感じに終わってた。
この映画の上手い所は、キャラや設定のディティールをおそらく意図的に省いているところ。渦中の企業であるアイビスが何の会社なのかさっぱり分からないし(たぶん証券業?)、主人公(ジョージクルーニー)とプロデューサー(ジュリア・ロバーツ)についてもあまり触れてないし、クオンツ(金融工学者)やハッカーの出し方も唐突感があるんだけど、そこは別にマイナスの印象はなかった。唐突なのは確かだけど、話の流れが淀みないのであまり気にならなかった。
あとクールだと思ったのは、傲慢で我儘な主人公が自分の命を守るために視聴者にみんなの力で下落した株価を戻そうと呼びかけるけど、逆にさらに下落して、そりゃそうだよなーというシーン。あとは若者には特に何の同情の余地もなくて、全国放送で嫁にブチ切れられ罵られるという涙目案件は、誰にも感情移入を許可しない感じも良い。
やはり、あらすじや作りは全体的に悪くないんだけど 、ギリ及第点というのは変わらない。時間も短めでコンパクトにまとまっているんだけど、優等生作品すぎて響くものは少なかった。
余談だけど、上映前に10月公開の邦画「グッドモーニングショー」の予告編が流れていたのだけど、同じようなあらすじと舞台設定、「マネーモンスター」がサスペンス風味ならこちらはコメディ風味という感じの映画で、こっちの方が面白そうだなと思った。たぶん行かないけど、いつか見比べてみたいと思った。
ネタバレなしとは言ったけど、これだけはネタバレしたいので、↓の「続きを読む」からどうぞ。
若者が普通に射殺されて死ぬのと、違う局に移籍を予定していたジュリア・ロバーツが事件後は何故か心変わりして(その辺りは作中で特に描かれていない)、局に残留してジョージ・クルーニーとタッグを再び組む、というラストなんだけど、ああ、それはそれでこれはこれなんだみたいなドライ感がちょっと新鮮だった。カタルシスはないけれど。
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