実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

武田梨奈と映画(祖谷物語、進撃の巨人、ハイキックガール、ヌイグルマーZ)

 武田梨奈を知ったのは、いま一番続きが読みたい格闘漫画「喧嘩稼業」の特別PVだった。絶え間ない打撃を繰り出す秘技「煉獄」を再現したという漫画宣伝のPV。再現性はまあ漫画の話なので・・・とは言いつつ、何度も繰り返し見てたので武田梨奈という名前は印象に残っていた。 


喧嘩稼業「煉獄×武田梨奈」

 

 

 その後、武田梨奈の出ている映画で初めて観たのは「祖谷物語-おくのひと-」(いやものがたり、と読む。徳島の地名)で、武田梨奈の新境地みたいな宣伝文句だったのだけど、これが初・武田梨奈なのですごいおとなしい印象だった。 

祖谷物語-おくのひと- [DVD]
 

  この映画は割と長めの作品(169分)なのだけど、3つの視点(フェーズ)があって面白い。序盤は山に囲まれた田舎風景の中でカカシだらけの婆さんの家、一言も喋らない不思議な爺さん(土方巽の弟子らしく、無言でも身体表現能力がめちゃくちゃ高い。画面に現れたらつい目を引いてしまうのは本当にすごい)と二人で暮らす武田梨奈の少し奇妙な生活を描いている。

 中盤は山を切り開いてトンネルが開通するのと時を同じくして、やや幻想的な展開になってくる。爺さんの背中に苔が生えてきたり、カカシが動き出したり、爺さん=山の神みたいな感じの不思議な展開になっていく。

 そして終盤は爺さんの死を契機に街へ出て、浄化作用のあるバクテリアを研究している研究室で働く武田梨奈。色々あって、誰にも見えないカカシに導かれるように祖谷へ戻っていくというストーリーなんだけど、武田梨奈がどうこうというよりかは映画そのものの不思議な感じの方が印象に残っている。

 

 次に観たのは映画「進撃の巨人」(前編・後編)で、観賞中は一切気付かなかった(笑) スタッフロールで「あれ、武田梨奈出てるんだ!?」と思って、役を確認したら、作中でもあまり目立たない役だったので仕方ない。

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN  DVD 通常版

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 この映画は結構な評判だったけど、「永遠の0」で自分の中の評価がアナゴのぼりの三浦春馬が主演だったので、観てみた。まあ酷いという感想は分かる。原作とどうしても比べてしまうのは仕方ない。だけど、壁の向こうを少年少女が目指すジュブナイルとして見れば、結構良い作品だったんじゃないかなとは思う。進撃の巨人を映画化! として観るよりかは、進撃の巨人の世界観でのオリジナル作品として捉えた方が誰も不幸にならなかった気はした。

 前編は特にフックのないまま過ぎてゆく感じ。この世界でも圧倒的な三浦春馬の演じる役のニート感。石原さとみの演技は良かったけど、作中ではひたすら浮いていた。あと、リヴァイ兵長の代役として出てくるシキシマが本当にクネクネしていて、画面に登場する度にいちいち面白い。ジャンピングニー一発に全てをかけたって感じの活躍で、ラストの巨人のシーンや立体機動のアクションは結構良かったけど、そこまでで結構。後編への期待が薄まっていったのが難点。 あと、リヴァイ兵長の代役として出てくるシキシマが常にクネクネしていて、狂言回し的な意味ありげな台詞をつぶやくシキシマは本当に目が離せない。画面に登場する度にいちいち面白かった。

  後編は意味のない春馬の絶叫が多かった。気絶した春馬を謎の部屋に連れ込み始まるシキシマ祭り。石原さとみは相変わらずテンション高いし、クネクネが止まらないシキシマ。唐突すぎる黒幕の登場。ジュブナイルとして観たら面白いのになあ。あと、前編でのピエール瀧の死に際の意味深な台詞「エレン、お前の兄・・・」は本当に一体何だったんだ(本当に作中でカスりもしなかった台詞だった。まあ言いたいことは何となく察するが、この映画において観客に想像させるという態度は観客を舐め過ぎているので、ここは想像力を放棄し、考えることをやめた)。

 

 武田梨奈そのものが見たいんじゃあと思い、次は「ハイキックガール」を観た。これは超当たり映画だった。邦画でもこれだけのアクションができるんだという感動があるし、武田梨奈がキレカッコカワ(キレイでカッコよくてカワイイ) で、なんとノースタントのガチ演技だ。キック主体のJKアクションは見応えがある。和製「チョコレートファイター」みたいな。 

「ハイキック・ガール!」武田梨奈

  アクションのリピートは最初は少し驚いたが、くどいけど見せたい気持ちは分かる。ストーリー部分の雑さは仕方ない。「壊し屋」という悪の武道集団が15年間探し回っていた当人(武田梨奈の師匠役で、中達也というリアル空手家)が、特に逃げも隠れもせずに実名で道場経営していたという下りは無能を通り越して変な笑いがにじみ出てくる。「壊し屋」の面々はおそらく格闘家やアクションスタントさんで構成されていて、ガチの実力者たちという顔立ち。

  基本的には主人公の強さを堪能する無双映画なんだけど、武術系映画って師匠役のポジションってかなり強いけど、作中では病気とか罠とか色々あって敵に負けてしまい、最終的には主人公がその敵に勝つって展開は王道なんだけど、この映画では最終的には師匠の中達也が無双して、武田梨奈が自分の未熟さを改めて自覚するくだりは斬新で良かった。下手すると色物映画みたいなジャンル扱いされそうですが、いや、ホントこれはアクション映画好きは見るべきですよ。

 

 「ハイキックガール」おもしれー! ということで、武田梨奈のアクション映画を求めて「ヌイグルマーZ」を観た。主人公は中川翔子なんだけど、武田梨奈中川翔子が変身したヌイグルマーZ役というアクション担当とも言うべき珍しい配役。さらに驚くのは敵の一人である男装の麗人武田梨奈が演じているという点。主人公と敵の2役を武田梨奈が演じているから、もう武田梨奈が完全主演で良かったんじゃと思うけど、色々あってそうならなかったが故の2役体制なのだと思うと闇を感じる。

「ヌイグルマーZ」DVD 通常版
 

  全体的に脱力系、全体として見たら微妙な作品だけど、武田梨奈のアクションとか光る部分は時折ある。一番脱力して爆笑したのは、敵の女幹部4人の「恥じらいおっぱいビーム」(映画観たらわかるけど、本当にこの一言に集約される)の破壊力の高さ。おっぱい出てるからyoutubeにも上がってないけど、本当にこれだけのためにこの映画を観る価値はあ・・・るといい、な(歯切れ悪く)。武田梨奈だけでなく、中川翔子もそれなりにアクションしているんで、役者目当てで観る分にはいいんじゃないだろうか。

 

 

 そんな感じで武田梨奈の映画を追っかけていたが、まだ観てない映画も割とある。一番気になるのは「KG KARATE GIRL」なんだけど、どうやら家の近くのレンタル屋には置いてないっぽくて、ぐぬぬ状態。


映画『KG』予告編

 

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