実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

フリースタイルダンジョンからのラッパー映画「8 Mile」を観た。

 去年に放送開始した「フリースタイルダンジョン」という番組があって、ざっくり言うとラップのMCバトルをRPGや少年漫画のストーリーや王道展開の文脈にラップさせたエンタメ番組。以前は地上波の他にyoutubeでも配信してたんだけど、今は著作権の関係でネット配信に移行している。

 このバトルが結構熱くて、それまでラップそのものに興味なかった自分のようなビギナー層も上手く取り込んでいると思う。詳しくは実際に観てほしいけど、特徴的なルールのひとつに「クリティカル」という一撃必殺みたいなシステムがある。ラップのバトルは3R制の2R先取で勝利なんだけど、審査員の軍配が満場一致だとクリティカル(=会心の一撃)が出たとみなされ、そこで勝負が決するというシステム。

 そんな感じでハマっていた流れで、番組の中で軽く触れていたラッパー映画「8 Mile」を観てみたのだった。エミネムの半自伝的映画。

8 Mile [DVD]

8 Mile [DVD]

 

 

 感想。ラストシーンの展開は熱くて、まさに「クリティカル!」。エミネム本人が主演している半自伝的映画ということもあって、ストーリーはあってないようなもので、主人公と主人公を燃やす環境や舞台が燃料となって次々とくべられていく感じ。何もなくなったホワイトトラッシュの主人公の行き場のない感情や怒りがが最後の最後で爆発して、自分を全てさらけ出すラップを刻む展開はカタルシス。

 そして一番印象的だったのは、その己を爆発させたラップバトルが終わった後の主人公の行動で、当たり前と言えば当たり前なんだけど、地に足の着いている感じと、この一夜限りで終わりじゃなくて物語(とエミネムの成功)は続くというが上手く示唆されている気がしてとても良かった。

 

 そういえば、ラッパー映画なら昔「サイタマノラッパー」も観ていたのを思い出した。これもラストはかなり印象に残っている、というかラストしか印象に残らなかった。続編も併せて観てみようかな。

SR サイタマノラッパー [DVD]

SR サイタマノラッパー [DVD]

 

 

 あと自分にとっては「ヴィジット」もラッパー映画と言える。  

  

8 Mile [DVD]

8 Mile [DVD]