実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

ボニーとクライド。映画「俺たちに明日はない」を観た。

 原題は「BONNIE AND CRYDE(ボニーとクライド)」。色々な作品で言及やオマージュされている古典的名作で、前から観たかった映画。実在のカップル強盗をモデルにしていて、冒頭の二人の出会いから既に漂う終わりへの疾走感。

 刑務所から出所したどこか陰のある男クライドと、街のウェイトレスとして平凡に生きるボニーが出会い、強盗と逃避行を繰り返すロードムービーなんですが、この二人の出会いが電撃的というか、強盗によって「覚醒」していくのが肌身で感じられる演出が素晴らしい。

 ボニーが段々と色っぽくなってくるし、ファッションがどれもお洒落で良い。クライドの男性性の話とボニーとの関係性も、描き方と踏み込み方が逆に新鮮に感じる。あとどこか、西部時代の終わりという空気も漂わせていて、「ワイルドバンチ」と同年代頃の映画というのも納得。

 車に乗ると流れ出すBGMがやたら軽快なのも印象に残ったし、ラストの「THE END」に至るまでの怒涛のラストも印象的。まあ古典だけど、古典なりの面白さや発見があったので、個人的には観て損はない映画だった。

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俺たちに明日はない (字幕版)