実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

これは究極のシャマラン映画だ!映画「ミスターガラス」を観た。

 公開初日に観てきた。「アンブレイカブル」「スプリット」に続く三部作完結作にしてシャマラン時空の炸裂! 超最高! 本当に良かった。「アンブレイカブル」好きは本当に必見。

映画チラシ ミスター・ガラス ジェームズ・マカヴォイ

 映画に関しては、この映画を観る前にこっちの映画を観てくれ! なんてことはあまり言わない方なんですが、この映画に関しては「アンブレイカブル」(できれば「スプリット」も)を観てから観てほしい映画。

 序盤の段階で各キャラの説明を割と省いているので、初見だとかなり分かりにくいというのも理由ではあるけれど。

 

 この映画の素晴らしい所は中盤くらいから始まって、終盤までスピードを緩めずに加速していってゴールできた部分。やったぜシャマラン! 中盤くらいからシャマラン流のフィクション解体が始まると、マジか!? マジなのか!? とハラハラしている所に、サミュエル・L・ジャクソン演じるミスターガラスの無双が始まる! という流れは本当に熱くて、最高の映画体験だった。

 

  妄想を現実(科学)が解体し、妄想が現実を上回っていくという筋書きは、この映画「ミスターガラス」のテーマでもあると同時に、作中でのリアリティラインを読者と一緒に揺さぶるグラグラ感が本当に良くて、それがカタルシスに繋がっている手腕は本当に凄い。

 まさにその部分が凄いのは、作中の人物だけでなく、この映画を観ている観客も、「アンブレイカブル」「スプリット」でそれが”ある”と知っているはずの観客ですら同時に彼女の説得に揺さぶられるという構図になっているんですよ。フィクション内のリアリティではなく、観客内のリアリティとしても「まさか、本当に?」と揺さぶられる体験。そんな奇跡みたいなことが成立したのがこの「ミスターガラス」であり、その奇跡を成立させたのが、この映画がシャマラン映画であるという事実なんですね。

 意味不明なことを言っていると思うかもしれないけど、これ以上詳しくはネタバレになるから書けないけど、この映画を観た人ならなんとなく伝わってくれていると思う。

 

 まあとにかく、この間違った世界を正すのが一人の狂人という展開と構図が熱い! それだけで良いんじゃないですかね。終盤のバトルも含めて、この映画の感想としては。

 ラストの落とし所も、その在り方が正義であったと信じる者たちへの存在した証であって、彼らにとっての希望の物語なんだよなあ。ミスターガラスのカーチャンが何を思っていたかはよく分からないけれど。それも含めて自分好みのラストでありました。

 あと余談だけど、ミスターガラスが「MG」というネクタイピンをいつの間にか準備していて、正装時にちゃっかりと身に付けているのを見て、(昔は嫌っていたのに)今はそのネーミング気に入ってんだなという感慨と、調子に乗んなよ!という思いが同居していた(笑)

 自分にとっては2019年ベストに早々に食い込んだオススメ映画。

 

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おまけ(関連動画)

 この映画観ていて連想したのがゲゲゲの鬼太郎のこのエピソードだった。詳しくは別のネタバレ記事で語りたい。

第101話 言霊使いの罠!

第101話 言霊使いの罠!

 

 

※追記

ネタバレ記事はコチラ。

ippaihaten.hatenablog.com