ファイトクラブを観たならこれも観ろ!な映画4選(あるいは私的関連作品)
言うまでもなく映画「ファイトクラブ」は超名作映画である。観てない人は観た方がいいし、観たことのある人はもう一度観た方がいいし、原作小説も読んだ方がいい。
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まあしかし、同じことを繰り返し言い続けても芸がないので、今回は「ファイトクラブ」にまつわる関連作について部門別に紹介したい。ファイトクラブ未見の人も、別に「ファイトクラブ」を観ていなくても単体で十分に楽しめる作品なのでそこは安心してもらいたい。そして、その後で「ファイトクラブ」を観てほしいと思う。
■キャスト部門「アメリカン・ヒストリーX」
主演のエドワード・ノートン繋がりで。ファイトクラブが公開された1999年より1年前の1998年に公開された。あらすじは↑の紹介ページでもwikiでも見てほしい。人種差別と暴力の連鎖が作品のテーマだが、「ファイトクラブ」とは異なった視点で暴力を描いていて、これもまた傑作なので未見の人は観てほしい一作。
注目すべきはやはりエドワード・ノートンで、この映画の撮影のために筋トレで体重を30ポンド(約14キロ)増量している。撮影時期の前後関係は分からないが、そこから「ファイトクラブ」のあの運動不足のヤッピー体型に戻したのは凄い。俳優としてのプロ意識を感じる。ちなみに、「ファイトクラブ」でタイラーが映画の後半に坊主になるんだけど(画像左)、そこに「アメリカン・ヒストリーX」のエドワード・ノートン(画像右)へのオマージュを感じずにはいられない。実際にはどうかはわからないけれど、その見解がファイトクラブフリークの間では有力である。
どうでもいい昔話だが、「アメリカン・ヒストリーX」DVD版が長らく絶版で、ヤフオクのプレミア価格以外どこ探してもなかったが、数年前にBlu-ray版が出たのでとても嬉しく思う。
■監督部門「ソーシャルネットワーク」
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これは監督のデヴィッド・フィンチャー繋がりで。過去記事で少し触れたこともあったけど、いずれちゃんと感想書きたいとか言ってるが、まだ書いていない。
「ファイトクラブ」で描かれているようなクローズドでホモソーシャルな世界を、旧世界として突き破って見せる作品を、年月を経て同じ監督が作っているというのは面白い。「ファイトクラブ」にピンと来なかった人は、逆に「ソーシャル・ネットワーク」にはピンと来るかもしれない。ふと気付いたけど両作の共通点って、女に出会った(フラれた)のをきっかけに、コミュニティを作って世界を変えようとする話なんだよな。形も手段も全く違うけれど。
■世界観部門「アメリカン・サイコ」
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アメリカでもヤッピーって概念はもう死語(オワコン)だと思うんだけど、「高学歴&大手(外資)勤務&独身貴族」みたいなニュアンスでいいと思う。作中でエドワード・ノートンがいる「大手」の会社世界もこんな感じだろうなあと思わせてくれる。小説が原作なんですが、ファイトクラブの原作者と同世代(ジェネレーションX)くらいだし、描かれている主人公も同世代ぐらい。「ファイトクラブ」と違い、原作の混乱しそうで空虚な文体をそのまま映像化したような話で、好みは分かれそうですがファイトクラブが面白かったなら楽しめるんじゃないかなとは思う。
この映画で一番有名なシーンとして名刺自慢のシーンがある。
ひたすら同じにしか見えない名刺(やりとりを見ていると、色とか書体が少し違う、らしい)を見て、負けた・勝ったみたいな顔をしている同僚たち。視聴者にはギャグにしか見えないですが、本人たちは大真面目。タイラーが批判し、エドワード・ノートンが抜け出したがった世界がそこには描かれてる、と思う。
■非モテ部門「タクシードライバー」
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ファイトクラブにおいて、エドワード・ノートンに漂うボンクラ臭に共感を覚えた人は少なくないと思う。シニカルに構えて孤高を気取りつつも、上司に振り回され、女に振り回され、社会に振り回される非モテ気質。そんな主人公が溜まりに溜めた鬱憤がいきなりとんでもない方向に暴発する作品というのは、自分含めた一部のボンクラ達には、謎の誘因力と中毒性を持っている。
「タクシードライバー」もそういった意味では「ファイトクラブ」の先駆的な映画と言っても過言ではない。作中の主人公であるトラヴィス(この名前はファイトクラブの中でもノートンの使う偽名という形で出てきている)は、空気読めない行動をとって気になる女にフラれた男が、「この世界は腐っている、みんな見て見ぬふりだ。だから俺が正してやる」といきなり自宅で身体を鍛え始めて、とんでもないことをやろうとするのである。その暴走にも似た結末は、是非「タクシードライバー」を観てほしい。ちなみに若かりし頃のジョディ・フォスター(若い人は知らないかもしれないけど)も出ている。
他にも何作か思いつくが、とりあえずはこの4作をオススメしたい。有名作は有名作ばかりなので、知っている人は知っているかもしれないし、いずれの作品も「ファイトクラブ」と関連して語られることは多々あったと思うが、それぞれを「ファイトクラブ」的な視点から、どの観点で繋がっているかを書いてみた(つもり)。あとは「ピエロがお前を嘲笑う」なんかも紹介したかったが、もう1回ちゃんと観てから紹介したいので、気長に待ってほしい。