実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

近未来設定は甘え。パルクール映画「アルティメット」を観た。

 リュックベッソン製作(not監督)のフランス映画。スタント・CGを一切使っていないパルクールアクションかつダブル主人公というのが特徴。

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  感想。アクションは抜群に良い。序盤のビルでのパルクールアクションは俳優の身体能力の高さもあって、見ていてとても楽しい。もう一人の主人公である刑事のアクションもパルクールとは違う方向ではあるものの、スピード感があって良い。しかし、このダブル主人公という設定はあくまで主人公が2人というだけであって、2人のアクションを掛け合わせた更なる高次元のアクションが見られる訳ではなかったのは残念。とは言え、アクション的には見所は結構あるので元は取れる。

 話の展開やラストのバトルはまあ、あまり上手くないと感じる。妹が攫われてから、時間経ち過ぎじゃね? とか。時折、アクションで高めたスピード感が失速する部分があるのは何とも。この映画はいちおう近未来という舞台設定になっているんだけど、近未来であることがプラスに活かされている部分が見つからなくて、マイナス部分を近未来ということで言い訳しているようにも感じるので、この映画について言えば、近未来は甘え。その中でも斬新なシーンもあって、特に組織のボスが口座凍結された瞬間に部下に殺されるシーン。ここはとても良かった。

 全体的には悪くない映画だった。 

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窪田正孝による福満キャラ再現率の高さ。映画「ヒーローマニア-生活-」を観た。

  福満しげゆき原作の長編漫画が実写映画化。最初観ていた時は福満漫画が原作とは気付かなかったけど、窪田正孝の演技でなんか福満っぽいなと思い、中盤のストーリーで気付いた(笑)

生活【完全版】 (KCデラックス モーニング)

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  原作のキャラが持つ独特の濃さを、4人の役者がそれぞれ体現しているのが凄い。窪田正孝の挙動不審な演技と切れ味抜群のアクション、小松奈々のどことなく艶のある雰囲気、 若者殴りおじさん=片岡鶴太郎という完全な一致、という高シンクロ率の奇跡の配役。片岡鶴太郎もカナヅチ両手に見せるアクションも素晴らしい。

 余計な事をせずに原作+配牌(キャスト)で勝負した映画という印象。福満の原作を変にいじらずに、原作の空気を再現できるキャスト達を集めに走ったというのは英断だと思う。窪田正孝はHiGH & LOWで知ったのでスモーキー(役名)という印象が強いけど、この映画の窪田正孝は100%福満キャラ(童貞挙動不審)となっていて、ギャップが凄い。でもアクションはワイヤーのガジェットも合わさってカッコいい。

 小松奈々は雰囲気あって好きだけど、眼鏡外した後半はほぼ活躍しなかったのが残念。美味しい所はポイントポイントで持って行ったけれど。眼鏡かけている野暮ったい感じけど色気溢れる雰囲気は、これもまた福満キャラという感じでナイス。 

 

 

2017年1月に観た映画

 

1月(10作)

  1. 風立ちぬ
  2. ビルマの竪琴(1985年版)」

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  3. 南極料理人

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  4. ゴーストバスターズ(2016年版)」

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  5. スーサイド・スクワッド

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  6. 「ヒーローマニア-生活-」

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  7. 帰ってきたヒトラー
  8. 「トリプル9」

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  9. 「HiGH & LOW THE MOVIE」

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  10. 「アルティメット」

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  11. ダークナイト

80年代映画の再起動。映画「ゴーストバスターズ(2016年版)」を観た。

  名作「ゴーストバスターズ」のリブート(再起動)作品。細かいディティールを現代風にアレンジしつつ、主人公たちを女性、女優ではなくコメディエンヌを起用したことでも話題になっていた記憶。

  感想。80年代映画好きは観た方がいい。具体的にはテレビ放送の映画で「バックトゥザフューチャー」「ゴーストバスターズ」「ホームアローン」「グレムリン」などを繰り返して観ていて、その辺りの映画に育てられたという自覚がある人は今すぐ観た方がいい映画。

 相手の喋りを遮って喋る会話のテンポとか、直面している問題のスケール感とか、そこそこシリアスなシーンはあるけれどコメディであることは緩めない所がとても良い。最近の映画だと「TED」が観た中では一番近いイメージだけど、あくまで80年代フォロワーとして相対化しているのに対し、このゴーストバスターズは80年代の映画スタッフが現代の撮影技術使って作りましたという肌触り(伝わりにくいか?)。

 登場キャラもそれぞれ味のあるキャラクターで、特に好きなのはメンバーのエンジニア担当であるホルツマン博士。

  ホルツマンがいなかったら、この映画の価値は8割くらい消えていたといっても過言ではない。アッパー系のパンク・エンジニアという役柄と、ホルツマン演じるケイト・マッキノンの顔立ちが相まって、画面に映ると表情や一挙手一投足に目が離せない。あと本作ヒロイン(男)であるケヴィンもポンコツかわいい。だが、一番のインパクトは大学の学長なのに異論はないと思う。鳥に見立てたファックサインと空気を入れるジェスチャーからのファックサインが最高だし、特典映像では別バージョンのシーンも収録されている。

 アクションもなかなか良くて、対ゴースト用の兵器ガジェットもカッコいいし、終盤で実際に使うシーンも期待通り。ホルツマンの二丁拳銃(ビーム)無双シーンも素晴らしい。

 しかし、オススメ要素はいくつかあるものの、映画全体の評価としては「スーサイド・スクワッド」と似たような評価になってしまう。この映画ではホルツマン、スーサイドではハーレイ・クインのため(アクション含む)に観る価値はあるが、コンセプトは良いのに話が少しちらかっているし、続編狙いな作りも節々に感じられて、「確かにさあ、2作目はより面白くなるのかもしれないけど、まずは1作目で全て出し尽くすレベルで全力投球してくれ!」と思ってしまう消化不良も確かにある。

 まあ続編があれば、おそらく観てしまうだけの面白さはあったけれど、うーん。 

 

 

 旧作ゴーストバスターズのフィギュアも今度ようやく出るみたいだ。自分では多分買わないとは思うけど(笑) ファイトクラブのタイラーのフィギュアを出している所なので、クオリティは期待できそう。