実家の犬が踊る

狂人の真似とて大路を走らば、即ち狂人なり

映画「トリプルX 再起動」を観た。

「トリプルX 再起動」を観た。ドニー・イェン目当てで観ようと思っていて、過去作も未見だったので1作目も予習しつつ。

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 主人公であるヴィン・ディーゼル(スキンヘッド)が完全に敵役のような構図(笑)

 

 感想。アップテンポのBGMとスピード感、アクの強いキャラとド派手なアクションがあれば世は事もなし。ただただ頭を空っぽにして楽しむ映画。映画の中でも仲間の一人の特徴が「ツルむと楽しい」だけの奴がいるんですが、まさにそんな感じの、観てると楽しいだけの映画。

 最近は「何も考えずに楽しめる映画」という褒め方をよくするのは自覚してるんですが、たぶん「マッドマックスFR」ぐらいから目覚めた感覚で、もっと簡単に言えば「映画館で観たい映画」くらいのニュアンスで捉えてもらえれば。

 何て言ってもドニー・イェン! ですよ! 元々はドニー目当てで観たいと思ったこの映画。ドニーが冒頭の襲撃からガンガン動きまくって最高でした。

  • 序盤の自分「超絶ムーブをしつつ、お約束の三段蹴りを忘れないドニーイェン。一体何者なんだ・・・」
  • 中盤の自分「変な柄のアロハを着て悪役っぽさを出しながらヴィン・ディーゼルと超美人のディーピカー・パードゥコーンの3人で手榴弾をテーブルに滑らせながら超絶笑顔のドニーイェン。一体何者なんだ・・・?」
  • 終盤の自分「ヴィン・ディーゼルと車が行き交う高速道路で走り回ったり、航空機の中で無双したり、直接描写はなかったけどいつの間にか傷を負って空から放出されたけど、何事もなかったかのように地上で迎えに来るドニーイェン。一体何者なんだ!?」

 という感じに超スゲーけど、何者なのかは分からないドニーイェン。しかしお約束アクション(三段蹴り、高速打撃、姿勢のいいダッシュ)はしっかり押さえているので、安定のドニーイェンを楽しめる。

 あとその他の仲間たちもそれぞれ濃くて面白い。特にオリエンタルセクシーなディーピカー・パードゥコーンヴィン・ディーゼルがナイフと銃を互いに突き付け合いの状態から高速ムーブの後に、互いの得物(ナイフと銃)が入れ替わった状態で突き付け合いの状態に戻っているシーンとか、スナイパー姐さんのシーツで身体固定してからの狙撃&シーツ解きながらの降下シーンとか。 

 あとこの時点では2作目である「トリプルX ネクストレベル」は観てなかったんですが、後半で2作目にも言及されているシーンがあって、それが「過去作観ている人がニヤリとできるシーン」じゃなくて、2作目へのリスペクトも示しつつ、「あ、これは過去作の話だな。観てみようかな」と思わせてくれる所がいい(その後、ちゃんと過去作も観た)。

  

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実質的には雪の峠。映画「超高速!参勤交代」を観た(後半は「雪の峠」の話)。

 時代物コメディと思っていたら、殺陣(アクション)もしっかりとしていて意外と面白かった。主演の佐々木蔵之介の演技力が大きいし、抜刀術の使い手である設定なのと、家臣たちもそれぞれの武芸に優れているので、殺陣も見応えがあった。コメディとしても、アクションとしても楽しめる作品。 

超高速! 参勤交代 [DVD]

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 ここから先は映画のネタバレというよりかは、自分の好きな名作漫画「雪の峠」の話。雪の峠というのは寄生獣」「ヒストリエ」で有名な岩明均が描いた歴史ものの中編漫画で、派手な絵柄でもなくダイナミックなシーンもなくて淡々と会話劇で話が進むんだけど、これが滅法面白いんですよ。NHKあたりでアニメ化しないかなあと思うくらい好きな作品。

 

雪の峠・剣の舞 (KCデラックス アフタヌーン)

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  「超高速!参勤交代」を観てて、中盤くらいから「雪の峠」っぽいなあと思い始めて、後半には完全に実写版「雪の峠」と妄想を重ねながら観ていた。実際には「高速で江戸を目指す」くらいしか共通点はないんだけど、映画で家臣たちがみんな強くて、バトルになるとテンションが上がってる様なんかを見てると、徳川支配の太平の世の中、戦のために鍛えた技を振るう機会もなく燻っていた武士の思いが、雪の峠における重臣たちの思いにも繋がる部分があって、一人で何となく感じ入りながら観ていた。

   まあそんなこと関係なく「雪の峠」(同収録の「剣の舞」と併せて)は名作だと思うので、機会があれば読んでみてほしい漫画。

雪の峠・剣の舞 (KCデラックス アフタヌーン)

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2017年2月に観た映画。

2月(7作)

  1. 「マグニフィセントセブン」
  2. 「夏の終わり」

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  3. 超高速!参勤交代

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  4. トリプルX

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  5. トリプルX 再起動」

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  6. トリプルX ネクストレベル」
  7. ドラゴン危機一発'97」

アナーキー99に見える絶望。映画「トリプルX」を観た。

 エクストリームスポーツ&スパイアクションな映画。今月公開の「トリプルX 再起動」が観たくて予習。冒頭でのXスポーツのヒーローが、政府機関にスカウトされる展開は去年観た「X-ミッション」を連想したし、それまでのスパイ映画の殻を破ろうという意志は感じた。

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 主演であるヴィン・ディーゼルのキャラクターとアクションが全ての映画。主人公のザンダー・ケイジは反体制・アウトロー側の人間で、スキンヘッドの全身タトゥーで他の映画だったら敵組織のボスみたいな雰囲気出しているんだけど、目が優しげなので笑うと善人っぽさが漂うのは御愛嬌。

 そして安定のサミュエル・L・ジャクソンがしっかりと脇を固めている。どの映画でも初見では「あれ、これサミュエルっぽいな?(確信持てない)」、しばらくして「やっぱりサミュエルだな!・・・たぶん」、エンドロールで「ほら、サミュエルだった」となる現象に誰か名前を付けてほしい。

 アクションシーンは、エクストリームスポーツとスパイアクション要素の比率が高めなので、対状況(雪山とか水上とかの自然環境)みたいなシーンに力が入っている。背後に雪崩が迫りながらスノボで滑走するシーンとかインパクトある絵面だった。格闘戦はどちらかというと少なめなせいか、印象が薄い。ヴィン・ディーゼルが格闘戦やったらかなりイカしていたと思うので、それは残念。

 

 あとこの映画の中で一番印象に残っているのは、アナーキー99という旧ソ連系の敵組織。旧ソ連の軍人たちが結成した組織で、ソ連のために闘い戦友が死んでいく中でソ連が解体し、仲間も帰る国すらも失った結果、国なんかいらねえ、俺たちだけが楽しければいいという結論からアナーキー99を作ったってボスが語るシーンがあるんですが、その後の行動が完全に意味不明でヤバみを感じる。同国人らしき仲間の科学者に化学兵器を積んだミサイル作らせるまではいいんだけど、完成と同時にいきなり科学者全員をその化学兵器でブッ殺した挙句に「この兵器が放たれれば、どこの国が撃ったか分からずに各国が疑心暗鬼になって争いが始まり、最終的に世界は滅びる」って言い出して、ああ、これはテロとかそういうのじゃないんだな、と思った。もっとチープな悪の組織というか、雑なプランを通り越したボンクラの絶望というか、自分のセンサーに何かが反応したので印象に残っている。 

 ド派手なアクションが楽しい映画だった。ストーリーの骨子はやはりスパイ映画で、現代でスパイ映画やろうとすると敵はテロ組織辺りが順当だけど、この映画では、敵がテロ組織とかアウトロー集団というよりかは世界征服を企む類の「悪の組織」なんだよなあ。その辺りのチープさが、映画全体の雰囲気と合っていて、アクションに集中して楽しめた理由かもしれない。あと、あのクライマックスで主人公の取った行動が「ええっ、それでいいの!?」って思った。さすがに雑すぎるだろ! 面白かったけどな!

 

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