映画「黒崎くんの言いなりになんてならない」を観た。
3月に劇場版が公開予定の、王子が大渋滞ドラマことプリレジェ(「PRINCE OF LEGEND」)のスタッフが前に作った作品らしいので観てみた。
原作(連載中)未読&この劇場版の前日譚にあたるSPドラマ版も観ていない。作中で見たことのない回想シーンがちらほらあって、エンドロールでSPドラマの存在を知った。
あらすじと設定を冒頭の回想とナレーションで把握したけど、話が映画内でちゃんと完結していたのは良かった。小松奈々は集英社系の漫画実写化によく出てくる印象がある。
ストーリーは基本的に黒王子と白王子の見せ場エピソード合戦という感じなんだけど、基本的にはタイトル通り黒王子が優勢の展開。 後々明かされる白王子が主人公を好きになった理由とか、黒王子に対抗する動機とか、全体的にバックボーンが薄すぎて、いくら掘り下げても当て馬の域を出ないし、主人公もそこまで揺さぶられていないのが弱いけど、まあ仕方ない。白王子の思いを掘り下げた結果、むしろ黒と白の二人が付き合っちゃいなYO! という感想に至るのも仕方ない。
ラストの逆転関係は小松奈々の小悪魔感が出ていて良さがあったし(「渇き」の小松奈々が自分に与えた印象は深い)、終盤の黒白バスケ対決の儀式っぽさというか対決する意味が全然なくて、ただ二人の俳優の見せ場のためにだけ存在している虚無さも一周回って良かった。SPドラマは今後も観ないと思う。
原作漫画。 本屋に最新刊で並んでいたので、まだ連載中ということを知ったのだった。
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映画「銀魂2 掟は破るためにこそある」を観た。
シリーズ第2作目。前作に負けず劣らずのキャストの豪華さ。
シリーズ前作の感想はコチラ。
文句なく面白かった。前作よりもギャグパート(将軍接待編)もガッツリ入っていて、シリアスパート(真選組動乱編)もそれなりで、前作に感じていた不完全燃焼感がクリアされていて良かった。
あと今回の映画で思ったのは、ギャグとシリアスの両方をそれなりにやっていこうとすると、尺が結構長くなるということですね。バランス取ろうとするとそうなるのは、銀魂の弱点かもしれない。まあ元々、原作漫画もシリアスパートはイラネとか言われたりしていたしなあ。
今回の新キャラでは河上万斉が良かった。弦(ストリングス)を使ったアクション演出は良かったけど、ラストバトルの謎スローモーションバトルは勢いゼロでイマイチだった。
なんだかんだ言いながら3作目も作られそうな予感。次は吉原炎上編かなあ。個人的にはビームサーベ流編をやってほしいがww
映画「殺人者の記憶法 新しい記憶」を観た。
映画「殺人者の記憶法」のアナザーバージョンという特殊な構成。オリジナル版の「殺人者の記憶法」を観ていないと訳が分からなくなるので、まずは「殺人者の記憶法」を観た方が良いです。
「殺人者の記憶法」とは表情が異なる「新しい記憶」のパケ。この意味はラストで明かされるので、是非2度見してほしい。
オリジナル版「殺人者の記憶法」とその感想コチラ。
感想。ラストは驚いた。ほぼ同じシーンを使った映画なのに、構成(記憶)を組み替えただけで、ラストで全く別の物語が浮かび上がってくるのは面白い。けれど、8割くらいが「殺人者の記憶法」と同じ内容で、筋も終盤までは大体同じなので、同じ映画を見せられているのと変わらないのは、退屈と言えば退屈。
整合性とか考えると少し苦しい所があるけど、ホントこの映画に関しては前の感想にも書いたように「主人公の記憶すら信用できない」から、驚いたし衝撃のラストだけど、大きな衝撃とはならなかったんだよなあ。あくまで「殺人者の記憶法」のファンディスクと言った内容。
やりたいことは分かるし、面白い試みで評価はしてるんだけど、これなら一本の映画でやってくれ、というのが正直な感想。あくまで並列の作品として観てほしいという意図は分かるし、面白い試みだとは思うけど、監督には調子乗んなよ!とは言いたい(笑)
原作小説ではどういう描写になっているのかは気になる(未読)。
殺破狼シリーズ第3弾!「SPL 狼たちの処刑台」を観た。
一応シリーズ3作目にあたるけど、1作目の「SPL 狼よ静かに死ね」と2作目の「ドラゴンマッハ(邦題)」とはタイトルと監督スタッフが同じということ以外は特に関係ない。
主人公は娘を持つ警察官で、海外旅行中の娘が臓器密売組織に拉致されてしまい、現地の警察官と協力しながらそれを追いかけていくという「72時間」チックなストーリー展開。途中から主人公が暴走するので、主人公・警察・密売組織の3つの視点から話が進んでいく。
どちらかと言えばドラマパートがメインで、アクションパートは割と小刻みに出てくるだけなんだけど、どれもレベル高くて見応えがある。トニー・ジャーも出ているので、スライディングアクションも堪能できる。
終盤の無慈悲な展開はSPLシリーズを踏襲している気もするし、今回もまた各サイドの登場人物にもそれぞれの視点から信じる正義があり、善悪対立(同立)のテーマは健在。主人公・現地の警察官・市長のそれぞれに娘がいて大事に思っているのも対比的で、重層的なテーマになっていて面白い。
今回もまた、なんとなくSPLの系譜を感じることができたのは良かった。地面に耳を当てたら地下を流れる水脈の音が微かに聞こえた程度くらいだけど。
あとはまあ、ビルから落下中に一回転して、助かるかなと思ったら助からずに死んだトニー・ジャーだけは「SPL」の自己オマージュだと堅く信じている。それにしてもトニー・ジャーのサイコメトリー(予知夢的な)は、その後も特にストーリーに絡むことなく本当に一体何だったんだ(笑)
SPLシリーズの1作目と2作目の感想はコチラ。